先輩ガイドの優しさ
幸いなことに、私はこれまで何度か
他のガイドさんと同乗する機会が何度かあった。
まぁ、1人の「ガイド」とするには不安だったり
ベテランガイドさんにアシスタント役は頼めないとか
そういう事情だろうから、
「私はアシスタントなんてやったことないわ」と
自慢できる人の方がいいんだろうけど(笑)。
他のガイドさんの働きぶりを間近で見られるのは
新人ガイドにはとてもありがたい機会。
そしてどのガイドさんも、
新人で仕事ももらえないガイド(=私)に
非常に優しくしてくれた。
「これはこうしておくといいのよ」
「これ使えるよ」
といろいろ教えてくれたし、
「昨日、電話で確認しておいたのだけど」と
情報を共有してくれれば
こういうことは確認しておいた方がいいんだなと
仕事のやり方まで学べた。
今はどうだか知らないけど、
かつては(自分の仕事を取られなくないから)
新人ガイドをいじめて辞めさせるような地域もあったと聞くので
その点では恵まれていると思う。
まぁ普通に考えれば、
新人ガイドに仕事のやり方やコツを教えたからって
1年やそこらで
ベテランガイドから仕事をごっそり持っていくような
可能性は低いと思う。
自信のあるガイドさんほど、新人に優しいのかもしれない。
先日、先輩ガイドと2人で
バス2台分の団体を5日間案内するという仕事をした。
当然相手はベテランガイドさんなのだけど、
(新人が2人だったら、ホラー以外の何物でもない)
私は業務前からすごくお世話になった。
まず、新人である私をパートナーとすることに難色を示した旅行会社に
「新人ですけど、しっかりした人です」
「私がしっかりサポートしますから」
とプッシュしてくれた。
そしてその言葉どおり、
業務前からいろいろ教えてくれたし
忙しいだろうに相談にも乗ってくれ、
業務中にもいつも助けてもらった。
私は本来、誰かと協力して仕事をするのが苦手だ。
他人の顔色をうかがうのは苦手だし
ちょっと変わり者だという自覚があるから
私のことを「面倒だな」と思われて気遣われるのもつらいし
だったらひとりでやった方がラクだなと思う。
しかし、今回のガイドさんは、
丸5日一緒にいても疲れなかった。
(まぁ、夜はホテルの部屋で別々に過ごしたのだけど。)
おそらく私の理解が悪いことも、
一緒にいるのが面倒くさいこともあっただろう。
でも、一緒にご飯を食べようと誘ってくれたり
「今回のお仕事はmariquitaさんと一緒でよかった」と言ってくれたり・・・
つまりは、「できた人」だった。
私は、自分が「ベテラン」と呼ばれる域に入った時に
こんなに新人さんの面倒を見られるかな?
自分の業務以外に新人が何かやらかさないか見ながら
優しく接することができるのだろうか?
「ガイド」というより、
自分の人間性について考えさせられた5日間だった。